『UIデザイナーのためのSketch入門&実践ガイド』改訂版が発売されます
今年の夏頃から執筆を進めていた『UIデザイナーのためのSketch入門&実践ガイド』の改訂版が2018年11月16日に発売されます。この記事では主な変更点について紹介します。
Sketchの対応バージョン
この改訂版では、9月中旬にリリースされたバージョン52までをサポートしています。実は執筆が終わったあとにアップデートが降ってきたのでだいぶ焦りましたが、無事に載せることができました。もちろんスタイルのオーバーライドにも言及しています✌️
目次
全体構成は
- 1. Sketch の概要とインストール
- 2. Sketch の基本操作
- 3. レイヤーリストとツールバーの機能
- 4. インスペクタの機能
- 5. メニューバーの機能と環境設定
- 6. スタイルとシンボル
- 7. プラグインを使いこなす
- 8. プロトタイピング機能
- 9. UIトレースを通してUIデザインを考える
- 座談会
- Appendix
となっています。
追加・変更点
改訂版と言うくらいですから、内容はかなり加筆・修正をおこなっています。まず新規追加ですが、
- ライブラリ機能
- スタイルオーバーライド
- プロトタイピング機能
- 9章の内容の総入れ替え
- 座談会
を加えました。上の3つはバージョンのアップデートに沿った追加内容ですね。9章の内容総入れ替えですが、初版ではかなり細かい手順でUIを作る章でした。ただ、自分で読み返す中で「ライブラリが出てきてOS標準のコンポーネントを手作りすることもなくなってきたし、もっと読者さんの手助けになる内容を書きたいな」と思うようになりました。読者とは誰か。僕の想定では、これからUIデザインを勉強する初学者の方です。その方々がデザインツールに触れた次にすることはなんだろう……と想像し、おそらくその1つにUIトレースがあるだろうと気づきました。であれば、Sketchを使ったUIトレースを通して、単なるお絵かきからUIを設計するための視点が身につくステップへの橋渡しをするのが、この本のクロージングとしてはふさわしいだろうと考え、内容をまるっと書き換えました。
座談会では、初版の最後でアンケートにご協力頂いたデザイナーさんに再びお声がけをし、1時間近くSketchについて語って頂きました。今回ご参加頂いたのは
- Amazon Japan 勝島さん
- インテグリティ・ヘルスケア 佐藤さん
- DeNA 加田さん
- メルカリ 鈴木さん
- ヤフー 宇野さん
の5名です(本当にありがとうございました…!)。なかなかデザインツールを軸にした座談会は見かけないので、かーなーり濃い面白い会になりました。必読です。
次に変更点ですが、
- スクリーンショットをすべてv52準拠に差し替え
- プラグイン・連携サービスのリフレッシュ
が大きな変更箇所です。プラグイン・連携サービスは細かい使い方を紙面から削除し、GitHubへと移行しました(現時点では未完成……)。
そのほかにも、v52で変わった箇所はおおむね反映できていると思います。あとは、改めて初版を読み返して「ここ削除してもいいかな……」と判断したところは、この1年でアップデートがなくても削除・簡略化しています。1章の他ツールとの比較とか、5章にしか登場しない機能の説明とか。
いま、Sketchを選ぶ理由となる1冊を目指しました
初版が発売された1年前と比べると、デザインツールをとりまく状況は大きく変わりました。Figmaはどんどん使いやすくなってるし、Adobe XDも毎月アップデートしてる。InVisionもStudioも発表したし、ともすればSketchの優位性ってどこ?なんで今Sketchを使うの?と考えざるを得なくなりました。
もちろん、大切なのは「なぜそのツールでなければならないのか」「そのツールで何を解決したいのか」といった視点です。その意思決定に本書が少しでも貢献でき、「この本もあるし、Sketchにしてみるか」と思って頂けたら幸いです。