デザイナーに仕事を依頼する時に用意しておくといい9つのリスト
「仕事お願いしたいので、誰かいいデザイナー紹介してくれませんか」と尋ねた・あるいは尋ねられた経験がある方もいらっしゃると思います。自分も仕事の相談を頂いたり、仲介役として紹介する機会があるのですが、冒頭のように「デザイナー紹介してください! / 仕事お願いしたいです!」の一言だけだと正直紹介しづらい実感があります。
この記事では、自分自身がよく質問したり、紹介する方との橋渡しのために整理している情報をまとめてみました。雛形と呼ぶには雑ですが、ぜひデザイナーに仕事の依頼を考えている方は参考にしてください。反対に、仕事の依頼がきたデザイナーさんの質問リストとしても使えるかなと思います。
前提としては、Web・アプリなどのIT系であること、採用目的ではなく発注目的であること、Facebookメッセンジャーなどライトな相談の場であることを意識して書いています。
1. 業態・プロジェクト概要
- ざっくり業態を知れるだけでも、経験ある人を探せる可能性があります
- プロジェクトが大きいと複数人で入れるユニットや会社を探す方向で動けます
2. プロジェクトのフェーズ
- 新規事業の立ち上げ
- 例えば、コンセプトは検証済み・プロトタイプを作ろうとしている、など
- 既存事業の改善
- 例えば、リリースしたばかり・継続的に改善施策を試している、など
3. プラットフォーム
- Webなのか、iOSなのか、Androidなのか
4. なぜデザイナーを探しているのか?
- 何に困っているのか?何を解決したいのか?が言語化できていないとやりとりが止まります
- 単純に人手が足りないだけなのか?
- 実はこの手の相談は人を繋げにくいです。誰でもいいってなると誰も紹介できないし、僕ががんばって探さなくてもいいかなってなる
- 特定領域の知見を持っている人の助けを借りたいのか?
- こちらのほうが信頼できる知り合いや会社などを紹介しやすいです
5. どんなことを得意としている人を探しているのか
- 新規立ち上げの経験がある
- 数字見ながら改善した経験がある
- インタビューやヒアリングが得意
- プロトタイプを素早く作って仮説検証を回せる
- サービス全体のビジュアルの一貫性を定義・制作できる
- 社内にデザイナーの考え方や思考を啓蒙できる
6. プロジェクト内での立ち位置、役割
- チームを引っ張れるリード〜シニアレベルを希望
- 手数が欲しいだけなので若手でもOK
- 手は動かさなくて大丈夫なのでアドバイスが欲しい
- エンジニアとしっかりコミュニケーションができる
- 経営層としっかりコミュニケーションができる
7. 金額感
- プロジェクト全体の予算じゃなくて、デザイン(デザイナー)に割り当てられる金額を知りたいです
- まとまった金額、もしくは月あたりの予算など
8. 期間・コミット具合
- 短期なのか長期なのか
- 週2なのか週5なのか
- リモートありか、常駐希望か
- 「来週から作業です!」とかは地雷臭がするので、準備期間があるかも確認が必要です
9. 実績掲載の可否
- ポートフォリオに掲載することは可能か
- 掲載が不可だと優先度を下げる方もいるかもしれません
- 逆に掲載可だと優先度を上げてくれる方がいるかもしれません
NDAなどの関係もあるので最初から全部を埋めることは難しいかもしれませんが「紹介してください!」と尋ねる段階でこれだけの情報を事前に用意できていれば、相談相手からはかなり感謝されますし、信用度も上がります。何より、相談された人がこうした情報をヒアリングして(何を聞けばいいか質問を考える時間だって発生するんですよ!)回答を待つ時間が短縮されるので、いち早く希望の相手が見つかるかもしれないというメリットがあります。
ちなみにイレギュラーパターンとして「そもそもこのリストに書いてあることが何も書けない……けどデザイナーが必要!」という声が出るかもしれません。その場合は仕事を請けたり人を紹介するとあとあと厄介事になりかねないので、まずはちゃんと明文化をしてもらいましょう。何も見えていないか、何も考えていない可能性が高いです。
逆に、そういった要望を出してしまったけど相談相手が運良く話に乗ってくれた経験がある方、それは立派な仕事なので、然るべき報酬か美味しいご飯をご馳走するとよいでしょう。
というわけで、雑に相談するのもいいけど、しっかり事前に情報をまとめておくと感謝されるかもよというお話でした。「自分はこういうことをよく質問します」みたいな声があればぜひ知りたいです。